本研究課題では自己増幅型RNA(saRNA)を用いた遺伝子疾患の治療法開発研究を行った。研究当初は軟骨無形成症を対象にした研究を行っていたが、研究者の所属変更に伴い必要な実験試料の使用が難しくなったため、ターゲットとしていたもう一つの疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)を中心に研究を進めた。 FOP患者由来iPS細胞にFOPの原因遺伝子である変異型ACVR1遺伝子の働きを抑えるsaRNAを導入し、FOPの主要な症状である骨の異常な形成促進が培養細胞で抑えられるか検討した。FOP患者由来iPS細胞では骨が過剰に形成されていたが、saRNAを導入することでそれが抑えられることが確認された。
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