研究課題/領域番号 |
21K15351
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
高橋 浩平 国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (90846411)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | AMPK / うつ病 / 潰瘍性大腸炎 / p62 / LC3Ⅱ/Ⅰ / Autophagy |
研究実績の概要 |
昨今、潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患患者において高確率でうつ病を含む精神疾患の罹患が認められることが報告されているが、その発症メカニズムに関しては未だ不明な点が多い。申請者はこれまでの研究によって潰瘍性大腸炎モデル動物を用いて腸由来の炎症が脳内炎症を惹起し海馬歯状回での神経新生が低下することで、うつ様行動を発現することを見出した。また、この研究の過程で、直腸並びに海馬において炎症を制御するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化が低下していることを発見した。故に、脳腸におけるAMPKの低下が、潰瘍性大腸炎によるうつ病発症に寄与している可能性がある。 AMPKシグナルは、Autophagyや神経新生、炎症といった多様な生理機能に関与している。本年度は潰瘍性大腸炎モデル動物における脳腸でのAMPKの病態生理的役割を解明することを目的としてうつ病や腸内炎症との関連性が報告されているAutophagyに焦点を当てて分子薬理学的検討を行った。その結果、潰瘍性大腸炎モデルマウスの脳腸AMPK活性の低下に伴い、Autophagy関連タンパク質であるLC3Ⅱ/Ⅰ比が低下し、p62の発現レベルが上昇していることからAutophagy機能が低下していることを見出した。 故に、潰瘍性大腸炎モデルマウスでの脳腸AMPK活性の低下により、Autophagy機能が低下することによって潰瘍性大腸炎様所見やうつ様行動が起きている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果から脳腸AMPK活性の低下がAutophagyの機能低下を引き起こす可能性が示唆されたため、次年度はAMPK活性化剤であるレスベラトロールを経口投与した際の潰瘍性大腸炎様所見並びにうつ様行動への効果を検討していく予定である。また、早々にDSS処置マウスでの潰瘍性大腸炎様所見並びにうつ様行動に対するレスベラトロールの有効性が認められる用量を見出した場合は次年度に予定しているAutophagy機能に焦点をあてた生化学並びに免疫組織化学的手法を用いたレスベラトロールの作用機序解明に関する検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、申請消耗品が納品されなかったため残額が発生した。
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