本研究では、同一サンプル由来の3つの異なる脳領域から抽出したRNAを用いてロングリード遺伝子発現解析を行った。従来のショートリードを用いた解析では、転写産物の全長を一度に解析することができず、そのアイソフォームは推定にならざるを得なかった。今回ロングリード法を用いて正確にアイソフォームを同定することにより、3つの脳部位のうち2か所以上で発現しているアイソフォームに絞っても、その半数以上がこれまでに登録のない新規のアイソフォームであることがわかった。その情報を用いて様々な解析を行い、特に脳の部位間で異なるアイソフォームを発現する遺伝子には細胞突起の形成に関わるものが多いことなどを見出した。
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