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2021 年度 実施状況報告書

上皮細胞における膜蛋白質の新規なapical膜局在化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15364
研究機関九州大学

研究代表者

神田 朗  九州大学, 医学研究院, 助教 (10814650)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード膜蛋白質の局在制御 / 上皮細胞 / apical膜 / NADPHオキシダーゼ / グアニル酸シクラーゼ2C
研究実績の概要

消化管や腎臓尿細管などの管腔面を覆う上皮細胞は、栄養物の吸収や老廃物の排泄、微生物感染に対する宿主防御など様々な生理機能に役割を果たす。上皮細胞がこれらの機能を発揮するためには、上皮細胞に発現する膜蛋白質が上皮細胞特有の細胞膜領域(体外環境に接するapical膜または体内環境に接するbasolateral膜)に特異的に局在する必要がある。ところが、多くのapical膜に局在する膜蛋白質について、その局在を制御する分子機構は未だ未解明なままである。私は最近、活性酸素生成酵素である膜蛋白質NADPH oxidase(Nox)のapical膜局在が、BARドメイン含有蛋白質(私はこれをNoxIBARと名付けた)によって制御される可能性を見出した。そこで本研究では、このNoxIBARに注目をして、膜蛋白質をapical膜に局在させる新しい分子機構の解明を目指す。本年度は、「NoxIBARはどのようにしてNoxをapical膜に局在させるのか」および「NoxIBARはNox以外の膜蛋白質のapical膜局在にも必要なのか」について検討を行った。その結果、いくつかのNoxIBARの結合蛋白質がNoxのapical膜局在に必要であることを見出し、NoxIBARはそれらの蛋白質と共同してNoxのapical膜局在を制御することを明らかにすることができた。また、NoxIBARはNoxだけでなく膜蛋白質グアニル酸シクラーゼ2Cのapical膜への局在化にも必要であることを見出した。従って、NoxIBARによる局在制御機構は、多くのapical膜蛋白質に共通する一般的な分子機構である可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、申請時の研究計画通りに、「NoxIBARはどのようにしてNoxをapical膜に局在させるのか」および「NoxIBARはNox以外の膜蛋白質のapical膜局在にも必要なのか」について検討を行った。その結果、NoxIBARと共同して働く分子を明らかにすることができた。さらに、NoxIBARはNoxの他にも膜蛋白質グアニル酸シクラーゼ2Cのapical膜への局在化にも必要であることを見出した。従って、順調に研究が進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

研究は順調に進展しており、現時点では研究計画の変更等は考えていない。申請時の実験計画通りに、「NoxIBARはどのようにして膜蛋白質をapical膜に局在させるのか」について、さらなる理解を深めるとともに、「NoxIBARは生体内のどの上皮細胞でも膜蛋白質の局在制御に必要なのか」について検討を行う計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Hepatocyte polarity establishment and apical lumen formation are organized by Par3, Cdc42, and aPKC in conjunction with Lgl2021

    • 著者名/発表者名
      Tocan Vlad、Hayase Junya、Kamakura Sachiko、Kohda Akira、Ohga Shouichi、Kohjima Motoyuki、Sumimoto Hideki
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 297 ページ: 101354~101354

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.101354

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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