消化管や腎臓尿細管の管腔面を覆う上皮細胞は、栄養物の吸収や老廃物の排泄、微生物感染に対する宿主防御などの生理機能に役割を果たす。上皮細胞がその機能を発揮するためには、上皮細胞に発現する一部の膜蛋白質が上皮細胞特有の細胞膜領域 apical膜に特異的に局在する必要がある。本研究では、我々が最近見出した制御因子NoxIBARが膜蛋白質NADPH オキシダーゼ(Nox)をapical膜に特異的に局在させる分子機構を明らかにした。さらに、NoxIBARは他の膜蛋白質のapical膜局在にも必要であり、NoxIBARによる局在制御はapical膜蛋白質に共通する新しい分子機構であることを明らかにした。
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