研究課題
腫瘍関連マクロファージに関して、秋田大学医学部附属病院における軟部肉腫手術症例を用いた予後との関連性の評価、統計的解析を施行し、腫瘍周囲のマクロファージの数が予後と関連することを見出した。この研究成果は論文として発表した(Sci Rep. 2023 Jan 23;13(1):1290. doi: 10.1038/s41598-023-28024-1.)。肉腫関連線維芽細胞(SAF、癌関連線維芽細胞のカウンターパート)については、同じく秋田大学医学部附属病院における軟部肉腫手術症例に対してに対して癌関連線維芽細胞(cancer associated macrophages; CAF)のマーカーである、aSMA(α smooth muscle action)、CD10、FAPの免疫染色を施行し、腫瘍内部、腫瘍辺縁部においてそれぞれスコアリングした。作成した予後情報、臨床情報と関連させて、各スコアを統計的に解析し、CAFマーカー(FAP,CD10)に広範かつ強陽性を示す症例(腫瘍内部におけるFAPスコア、CD10スコアhigh群)はmetastasis free survivalが優位に短いことを見出した。肉腫周辺のFAPスコアhigh群において、local recurrence free survivalが短いことを見出した。また、腫瘍内部、腫瘍辺縁部のCAFマーカーの各スコアは、それぞれ腫瘍内部および腫瘍辺縁部のTAM(CD163陽性マクロファージ)と中等度の相関を認めた。この研究成果は2023年の第112回病理学会総会にてポスター発表した。
2: おおむね順調に進展している
研究成果は論文発表、学会発表を行っており、おおむね順調にすすんでいる。
今後、さらにCAFマーカー(CD70など)を追加し、検討を進めていく。また、追加検討として肉腫に対する超高感度ISH法施行を検討している。
免疫染色で使用する抗体が想定より少なく済んだため、次年度使用額が生じた。その分の追加施行する抗体を購入予定。また、超高感度ISH法を行う試薬の購入を検討中である。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Scientific reports
巻: 13 ページ: -
10.1038/s41598-023-28024-1