卵巣漿液性癌の細胞表面に発現するタンパク質を約9000個同定した。その中から卵巣癌の細胞表面タンパク質シグニチャーを構成する31個の分子群を絞り込み、卵巣がんに突出して高発現するSpondin-1 (SPON1)に着目した研究を展開した。まず特異抗体を作製し、卵巣がん外科切除標本を免疫染色したところ、SPON1の発現は様々な臨床病理学的因子と正に相関し、卵巣癌の独立した予後因子であることを明らかにした。さらに卵巣癌細胞株の培養上清や腹水における分泌も確認し、SPON1は卵巣がんの予後マーカーのみならず血清診断マーカーとしても有用であることを明らかにした。
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