難治性消化器癌の代表である胆道癌、浸潤性膵管癌の臓器特異的な浸潤、転移経路をTissue clearing法を用いた三次元画像解析により解析した。胆道癌では、癌の発生、進展とともに、粘膜深部の既存の神経から神経新生が粘膜浅層に生じ、新生した神経に癌細胞が浸潤、そして連続性に粘膜深部の太い神経線維に沿って癌細胞が胆管壁を広範囲に進展することを明らかにした。また癌細胞とSchwann細胞を共培養すると、癌細胞の浸潤能が増加した。浸潤性膵管癌の静脈の三次元構造解析したところ、術前化学療法施行症例、さらに治療効果の高い症例では、腫瘍血管の血管長が減少し、表面積、体積が増加することが明らかになった。
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