研究課題
本研究では①NASHの組織学的診断の標準化、②NASH関連肝細胞癌の病理学的特性・悪性度の検討を目的としている。①NASHの組織学的診断の標準化に関し、因子の定性的評価並びにデジタル画像解析を用いた定量的評価に向け、バーチャルスライド化した非腫瘍切除肝組織を用い、画像解析用ラベリングを行ったが、ターゲット設定が難しく、今後の検討を進めている最中である。また生検でのNASH/NAFLD評価にも取り組んでいる。②NASH関連肝細胞癌の病理学的特性・悪性度の検討に関し、NASH関連肝細胞癌の抽出にも引き続き取り組んでいる。肝細胞癌の悪性度に関しては、腫瘍胞巣がCD34陽性細胞で囲まれるような構造を呈するVessels Encapsulating Tumor Clusters (VETC)というパターンが報告されており、VETC patternを有する肝細胞癌は、再発率が高く(術後早期再発と関連し、AFPが高く、腫瘍サイズが大きく、低分化で、血管侵襲が多いことが知られ、MTM subtypeに多いとされているが、今回のコホートに関し、VETC patternを有する肝細胞癌のetiologyに関しても検討した。
3: やや遅れている
バーチャルスライド化した非腫瘍切除肝組織を用い、画像解析用ラベリングを行ったが、ターゲット設定が難しい。また肝細胞癌の悪性度に関する検討やNASH/NAFLDを含めたetiology検討も行っており、症例検討に時間を要している。
引き続き、①NASHの組織学的診断の標準化、②NASH関連肝細胞癌の病理学的特性・悪性度の検討を目的とし、画像解析や症例検討に取り組む。
研究の進みが予定より遅れており、2023年3月までは慶應義塾大学医学部病理学教室にあるソフトやパソコンを用いることができたため、パソコン購入を初年度より延期している。次年度ないし最終年度に、当初より計画していたパソコン購入を行う予定である。
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Hepatology Reserch
巻: 53(4) ページ: 344-356
10.1111/hepr.13869