研究課題/領域番号 |
21K15414
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大西 威一郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (70750214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 骨髄間葉幹細胞株 / 脱細胞化骨 / CRISPR library |
研究実績の概要 |
2021年度は、ヒト骨髄間葉幹細胞株UE7T-9細胞の脱細胞化骨への進展因子として、CRISPR activation library(SAM library))で同定したSHC4について、SHC4過剰発現細胞株を作成し、増殖能の評価(MTS assay), 移動能の評価(Scratch assay)を行なった。SHC4過剰発現細胞株では、対照群と比較して、増殖能には変化がなかったが、移動能の亢進が認められた。また脱細胞化骨への進展も、確認された。現在、SHC4過剰発現細胞株のRNA sequence 解析を進めるとともに。論文作成を行なっている。 また、CRISPR knock out library(GeCKO v2 library)で同定したSRRM4については、SRRM4 Knock out(KO) UE7T-9細胞株をCRISPR lenti v2にて作成し、限界希釈からのcloningを行なった。UE7T-9細胞の増殖能が低いことから、Cloningには難渋した。また、SRRM4は発現がもともと非常に低いため、KOによる発現の確認に、工夫を必要としている。現段階では、完全なKOではないものの、SRRM4発現の減弱したUE7T-9細胞を樹立し、脱細胞化骨への十分な進展を確認した。 近年、第3世代CRISPR libraryが開発されたため、さらなる脱細胞化骨進展に必要な候補遺伝子をあげるため、KO library (Brunello library)と、activation library(Calabrese library)を実施した。 Brunello libraryからはさらに7種類、Calabrese libraryからはさらに5種類の候補遺伝子を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SHC4過剰発現させたUE7T-9細胞株については、移動能の亢進と、脱細胞化骨への進展を確認できたことから、論文作成を行なっている。SRRM4についても、発現の減弱した細胞株で脱細胞化骨への進展が十分に認められたことから、マウス皮下移植実験へ移行可能な段階になった。
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今後の研究の推進方策 |
SRRM4KO UE7T-9細胞を用いて、マウス皮下移植実験を計画している。それに先立って、SRRM4 KOおよびSHC4過剰発現UE7T-9細胞を作成し、さらなる脱細胞化骨への進展を図る。また、移植したUE7T-9細胞とマウス細胞との区別のため、GFP発現細胞株も作成中である。マウス皮下にて、UE7T-9細胞の生着が認められれば、DICER1KO細胞株も作成し、造血細胞の異形成や腫瘍化誘導の有無を確認していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していた、RNA sequenceや、動物実験の施行が、細胞株の樹立に時間がかかったことにより、2022年度にずれ込んだため。次年度使用額については、2022年度にRNA sequence, 動物実験を行うことにより、使用していく予定である。
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