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2022 年度 実施状況報告書

脱細胞化骨を用いた、新しい人工ヒト骨髄およびヒト骨髄異形成症候群モデルの作成

研究課題

研究課題/領域番号 21K15414
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大西 威一郎  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (70750214)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨髄間葉幹細胞株 / 脱細胞化骨 / CRISPR library
研究実績の概要

2022年度は、ヒト骨髄間葉幹細胞株UE7T-9細胞の脱細胞化骨への進展因子として、CRISPR activation library(SAM library))で同定したSHC4について、SHC4過剰発現細胞株のRNA sequence 解析を施行し、Cell motilityに関する因子の発現亢進を得た。この成果については、Bioengineering誌に報告した。
CRISPR knock out library(GeCKO v2 library)で同定したSRRM4については、SRRM4 Knock out(KO) UE7T-9細胞株をCRISPR lenti v2にて作成し、限界希 釈からのcloningを行なった。完全なKO細胞株は樹立できなかったものの、部分的なKOは確認できた細胞株を樹立した。増殖能の評価(MTS assay), 移動能の評価(Scratch assay)、足場非依存性(Soft agar assay)を行ない、SRRM4KO細胞株では、対照群と比較して、増殖能には変化が なかったが、移動能の亢進と、足場非依存性の増殖が認められた。また脱細胞化骨への進展も、確認された。RNA sequence 解析では、Extracellular matrixやCytokine activityに関する因子の発現亢進を得た。SRRM4に関する結果についても、論文投稿の準備を進めている。
2022年度は、上記樹立細胞株の、脱細胞化骨への進展、生着率が著明に低下しており、細胞のcloningなどをやり直ししたが、生着率の改善に乏しかった。その原因として、2022年度に使用した脱細胞化骨について、生理食塩水下で長期保存により、品質として劣化した可能性が考えられる。今後は用いる脱細胞化骨の都度作製なども検討する。また、マウス皮下への移植も進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脱細胞化骨への進展、生着率が著明に低下しており、細胞のcloningなどをやり直したため。また、脱細胞化骨について、保存による劣化や都度作製についても、再検討する必要が生じたため。
マウスへの皮下移植実験も行ったが、マウスの造血環境構築には、月単位の経過観察が必要なことが判明したため。

今後の研究の推進方策

脱細胞化骨への進展、生着率の改善を求むべく、脱細胞化骨について都度作製の方針とする。
マウス皮下にて、UE7T-9細胞の生着が認められれば、 DICER1KO細胞株も作成し、造血細胞の異形成や腫瘍化誘導の有無を確認していきたい。

次年度使用額が生じた理由

脱細胞化骨への進展、生着率が著明に低下しており、細胞のcloningなどをやり直したため。また、脱細胞化骨について、品質劣化や都度作製について、再検討する必要が生じたため。
マウスへの皮下移植実験も行ったが、マウスの造血環境構築には、月単位の経過観察が必要なことが判明したため。
以上の理由により、研究期間の延長を申請した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Identification of the Factor That Leads Human Mesenchymal Stem Cell Lines into Decellularized Bone2022

    • 著者名/発表者名
      Koyanagi Anri、Onishi Iichiroh、Muraoka Karin、Sato Ikue、Sato Shingo、Kimura Tsuyoshi、Kishida Akio、Yamamoto Kouhei、Kitagawa Masanobu、Kurata Morito
    • 雑誌名

      Bioengineering

      巻: 9 ページ: 490~490

    • DOI

      10.3390/bioengineering9100490

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Identification of NRAS Downstream Genes with CRISPR Activation Screening2022

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi Akiya、Hirakochi Haruka、Inoue Satomi、Tanaka Yosuke、Furuno Hidehiro、Ikeda Masumi、Ishibashi Sachiko、Taguchi Towako、Yamamoto Kouhei、Onishi Iichiroh、Sachs Zohar、Largaespada David A.、Kitagawa Masanobu、Kurata Morito
    • 雑誌名

      Biology

      巻: 11 ページ: 1551~1551

    • DOI

      10.3390/biology11111551

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Efficient Identification of the MYC Regulator with the Use of the CRISPR Library and Context-Matched Database Screenings2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Yosuke、Kambayashi Hidetaka、Yamamoto Akiko、Onishi Iichiroh、Sugita Keisuke、Matsumura Miwa、Ishibashi Sachiko、Ikeda Masumi、Yamamoto Kouhei、Kitagawa Masanobu、Kurata Morito
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 23 ページ: 7723~7723

    • DOI

      10.3390/ijms23147723

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Establishment of human bone-marrow microenvironment model using Decellularized bone2022

    • 著者名/発表者名
      Iichiroh Onishi, Morito Kurata , Kouhei Yamamoto, Masanobu Kitagawa
    • 学会等名
      第81回 日本癌学会総会
  • [学会発表] CRISPR activation libraryより同定された脱細胞化骨への間葉系幹細胞の進展因子SHC4の解析2022

    • 著者名/発表者名
      小柳 杏莉, 大西 威一郎, 倉田 盛人, 村岡 香琳, 木村 剛, 岸田 晶夫, 北川 昌伸
    • 学会等名
      第111回 病理学会総会
  • [学会発表] CRISPR activation libraryを用いたMYCの発現調節因子の探求2022

    • 著者名/発表者名
      田中 陽典, 倉田 盛人, 上林 秀孝, 山本 亜希子, 山本 浩平, 大西 威一郎, 北川 昌伸
    • 学会等名
      第111回 病理学会総会
  • [学会発表] CRISPR KO libraryを用いた細胞相互作用における薬剤耐性機序の解明2022

    • 著者名/発表者名
      杉田 佳祐, 倉田 盛人, 中山 蘭, 大西 威一郎, 山本 浩平, 北川 昌伸
    • 学会等名
      第81回 日本癌学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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