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2021 年度 実施状況報告書

自己免疫性心筋炎の免疫応答と炎症後リモデリングにおける自然T細胞の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15419
研究機関北里大学

研究代表者

吉野 和久  北里大学, 医学部, 助教 (20596530)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード実験的自己免疫性心筋炎 / 自然T細胞
研究実績の概要

実験的自己免疫性心筋炎(EAMC)感作抗原である心筋ミオシン重鎖ペプチドMyHC-αR614-629R(以下pMyHC-α)特異的T細胞を解析するために、pMyHC-α/I-Ad tetramerの作製をNIH Tetramer Core Facility(NTCF)に依頼した。その際にpMyHC-αのMHCクラスII抗原(I-Ad)への特異的結合試験結果の添付が求められたため、まずBALB/c由来細胞株RAW264.7(I-Ad+)のFITCラベルpMyHC-αによる濃度依存的な平均蛍光強度(MFI)の増加(=結合)をフローサイトメトリーにて確認した。さらにこの結合が特異的かをRAW264.7またはBALB/c腹腔内細胞(PEC)へのFITCラベルpMyHC-αによる染色(結合)が非ラベルpMyHC-αとの共培養で阻害されるかフローサイトメトリーにて評価した。その結果、前処置する非ラベルpMyHC-αの濃度依存的にRAW264,7またはPECのFITCラベルpMyHC-αによる染色のMFIは低下し、I-Adへの競合的阻害を認めた。 本結果でNTCFに再申請した。また、MAIT 細胞のEAMCにおける役割の解析のためBALB/c背景MR1 KOの使用に向けて、山口大学からMR1 KO(元はB6背景)をBALB/cに7代退交配しているものを導入した。一方、自分たちでも純粋なBALB/cマウス受精卵を用いてCRSPR/Cas9でMR1遺伝子破壊を始め、BALB/c MR1 KOを作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の増加により、集中治療室での業務が当初の予定よりも煩忙となったことで研究に割ける時間が減少した。

今後の研究の推進方策

MyHC-αR614-629R/I-Ad tetramer(Tet)の取得後に、Tetを用いて野生型(WT; BALB/c)あるいはiNKT細胞欠損(TRAJ18 KO)マウスのEAMC重症度(TRAJ18で重症化する)と抗原特異的(Tet+)T細胞の動態の関連をフローサイトメトリーで評価する。また、Tet+ T細胞におけるT-bet、GATA3、RORγtなどの転写因子の発現を解析し、免疫偏倚と病態形成との関連を明らかにする。
導入したBALB/c背景に退交配したMR1 KOおよびBALB/c MR1 KOを用いてEAMCを誘導し、WTでのEAMCとの重症度に差がでるか確認し、MAIT細胞のEAMCにおける役割を明らかにする。さらにこの実験系でもTet+ T細胞の動態や免疫偏倚の解析を行い、病態との関連について明らかにする。自然T細胞(NKT細胞・MAIT細胞)のEAMCにおける総合的な役割とそれぞれのリガンドを用いた病態制御が可能かを明らかにし、論文投稿につなげる。

次年度使用額が生じた理由

NIH Tetramer Core Facility(NTCF)からpMyHC-α/I-Ad tetramerを入手する予定であったが、その際に求められたpMyHC-αのMHCクラスII抗原(I-Ad)への特異的結合試験結果が競合的な結合試験では認めてもらえず入手できなかったために、マウスに実験的自己免疫性心筋炎を誘導し、モデル作製を行い、そのT細胞のdynamicsを調べられなかった。そのためマウスや抗原ペプチド合成費用が発生しなかった。また、MR1 KOでのモデル作成に関しても現在準備段階でそれほどの出費が生じなかった。
コロナウイルス感染症に対する診療、またそれに伴って変化した診療体制に対応するため、実験自体を進めることができない期間があった。

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公開日: 2022-12-28  

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