研究課題/領域番号 |
21K15432
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
中野 哲志 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (30794987)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺炎球菌 / 19A-ST320 |
研究実績の概要 |
沖縄県および日本本島で検出される多剤耐性肺炎球菌クローン19A-ST320株の解析の全ゲノム解析を行った。19A-ST320クローン株は本邦においては沖縄県において高頻度に検出される一方で、日本本島では検出が稀である。本研究では、全ゲノム解析を用いて、沖縄県で高頻度に検出される同クローン株が、日本本島由来で沖縄県で流行する素地があるのか、あるいは沖縄県に諸外国から流入があるのか、を解析した。 全ゲノム解析の結果では沖縄株は米国で検出される同クローン株と近縁であることが判明した。ベイズ解析によるとこの流入は1990年代から2000年にかけて起こったと考えられる。沖縄県の地政学的な要素を考慮に入れると、同株は米軍基地に関連して米国より沖縄県に流入している可能性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ゲノム解析、論文投稿が順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
当研究所には2000年代に本邦で検出された株の保存があるため、同株の全ゲノム解析を進めることにより、本邦で検出される19A-ST320株の進化的変遷を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本解析において、沖縄株が米国由来である可能性が示唆された。しかし、その後の解析で本邦からの流入の可能性も提起されたため、本邦で2000年代に検出された同クローン株の全ゲノム解析を行い、上記仮説の実証する必要が発生したため。
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