現在、抗菌薬によりEHEC大腸菌が殺菌されると細菌が持つ毒素が菌体外に放出されることが問題となっている。本申請は、CRISPR-Cas システムと薬剤耐性菌を選択的に殺菌できる遺伝子組み換えファージを組み合わせた新しい抗菌剤の開発を行なった。本申請の成果は、治療困難なEHEC 感染症の新しい治療法に資する基盤技術を提供することができる。特に、志賀毒素産生遺伝子(stx)を認識するCRISPR-Cas13aを搭載した抗菌カプシドにより、志賀毒素の産生を抑制するのみならず、同時にEHEC大腸菌を死滅させることができる。そのため、新しいEHEC 感染症の治療法となる可能性がある。
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