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2021 年度 実施状況報告書

肺炎球菌性肺炎における疾患感受性遺伝子の同定と病態増悪機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15437
研究機関東邦大学

研究代表者

進藤 綾大  東邦大学, 医学部, 非常勤研究生 (20807276)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード肺炎球菌 / 重症肺炎 / 疾患感受性 / 疾患感受性遺伝子 / CXCR2 / 免疫応答 / 感染制御
研究実績の概要

肺炎球菌感染症は 国・地域を問わず市中肺炎原因菌の最上位に位置し、本菌に感染することによる死亡率も高い。本菌は口腔・鼻腔に存在する常在菌であり、誤嚥などにより肺胞腔に侵入した肺炎球菌は好中球・肺胞マクロファージによって貪食殺菌されるが、莢膜が存在すると貪食殺菌に抵抗性を示す。肺炎球菌自体の病原性については多くの報告があるが、肺炎の重症化に関与する宿主側の要因については不明点が多いのが現状である。
既に我々のグループでは、肺炎球菌に対する致死感受性の高いマウス系統を見出しており、これを用いることで致死感受性に関与する責任遺伝領域の特定を終えている。本研究の目的は、肺炎球菌に対する疾患関連性遺伝子(群)を同定し、感染応答への役割・分子機構を解析することである。
これまでに連鎖解析法ならびに比較ゲノム解析により、重症化の要因が遺伝性であることを明らかにしており、ケモカインレセプターである Cxcr2 を責任遺伝子として推定している。qPCR 法による解析から、肺炎球菌感染後、肺炎重症化型マウス (CBA/JN) では野生型マウス (CBA/J) に対して、Cxcr2 および そのリガンドである Cxcl1/2 の発現誘導の遅延が認められた。また FACS解析から、肺炎球菌感染直後の CBA/JN マウスでは肺内へリクルートされる好中球・マクロファージ数が減少していた。以上から、自然免疫担当細胞の初期応答遅延が肺炎の重症化に重要であることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により、研究自体を行うことができない時期が続いたため、当初予定されていた実験計画の進行に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本モデルマウスの重症化因子として Cxcr2 を推定しているが、このことを多角的に検討するため CXCR2 ノックアウトマウスへの肺炎球菌感染、選択的 CXCR2 アンタゴニストである SB-225002 を投与することで、CBA/JN マウスと同様の表現型を呈することを検討する。また、予備的検討から肺炎球菌感染後期における CBA/JN マウスの肺内には多くの肺炎球菌が残存していることを確認している。そこでこの時期に焦点を当て、組織学的な解析 (病理像・各種炎症細胞浸潤・急性肺障害因子など) を検討する。さらに ELISA 法によるマルチプレックスアレイにより、各種炎症性サイトカインの発現量の測定を行う。

次年度使用額が生じた理由

世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により実験を計画的に進めることが困難であったため、未使用額が生じた。2022年度の請求額と合わせ、2021年度実施予定であった検討項目のために、研究費を使用する予定である。具体的には、マウスの購入・維持管理費用、FACS 解析費用、組織学的解析費用、その他消耗品購入費用等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Genetic linkage analysis identifies pneumococcal susceptibility locus in mice2021

    • 著者名/発表者名
      Ryodai Shindo, Soichiro Kimura, Yoshikazu Ishii, Kazuhiro Tateda
    • 学会等名
      The 3rd Asian Pneumococcal Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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