白癬(水虫)は皮膚糸状菌によって引き起こされるカビの感染症であり、日本人の5人に1人が足白癬と言われるほど一般的な疾患です。本課題では皮膚糸状菌の菌糸成長に必要なRac及びCDC42経路に着目し、その下流で働くプロテインキナーゼp21-activated kinase(PAK)の機能解析を行ないました。皮膚糸状菌のPAKの一つであるCla4を欠損すると菌糸成長や細胞骨格タンパク質アクチンの局在に異常をきたすことがわかりました。さらに、無脊椎動物を用いた感染モデルにおいて、Cla4の阻害剤が動物の生存時間を延長しました。これらのことから、Cla4が新たな抗真菌薬標的になることが期待されます。
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