アルツハイマー病患者脳ではアミロイドβ(Aβ)やリン酸化タウの異常凝集が特徴的な病理変化であるが、病変部位には活性化したグリア細胞に加えて種々のT細胞の浸潤が認められる。本研究では、脳内Aβ凝集モデルマウスを用いた病理学的解析により、T細胞、特にCD8陽性T細胞がアミロイド病理の早期には促進的に作用し、加齢に伴うAβ凝集の進行とともにアミロイド病理に抑制的に働くことを明らかにした。シングルセルRNA-seq解析により、脳内CD8陽性T細胞はサイトカインシグナルを介して疾患特異的ミクログリアの活性化を修飾することでアミロイド病理を変化させ、この反応は抗原特異的であることを明らかにした。
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