研究実績の概要 |
CCR1, CXCR2両者についてヒトのデータとしてTCGAとGEPIAのデータベースを参考に大腸がんにおいてCXCR2のLigandであるCXCL1、CXCL3、 CXCL5、CXCL7、CXCL8とCCR1のリガンドであるCCL15が発現が高いことを確認した。また自施設において代表的なリガンドであるCXCL1と8とCCL15の発現が高い大腸がんは予後が悪い傾向にあることをELISAで確認した。 マウスの細胞株においてCXCL1と、マウスにおいてCCL15に対応するCCL9の発現を確認した後にマウスの皮下腫瘍と肝転移モデルによってCXCR2陽性とCCR1陽性細胞がMMP2、MMP9、VEGFといった腫瘍促進に関わる遺伝子を発現していることを蛍光免疫染色で確認した。 CXCR2ノックアウトマウスにおいて皮下腫瘍モデル、肝転移モデル両方で腫瘍の増殖抑制作用を確認し、さらにCCR1ノックアウトマウスとCXCR2ノックアウトマウスからダブルノックアウトマウスを作成し、両モデルにおいてダブルノックアウトによる上乗せ効果があることを確認した。またこのサンプルの免疫染色で骨髄球だけではなくCD8陽性リンパ球、抑制T細胞に有意差があることを確認した。 腫瘍抑制の機序として遊走能に着目し、Conditioned Mediumの中で好中球の遊走能を調べる実験でCCR1、CXCR2をダブルノックアウトにすることで大きく遊走能が低下することを確認した。CCR1、CXCR2両者についてフローサイトメトリーによる骨髄球における発現の検証を行った。 予定していた実験をすべて終了したため、現在発表論文を投稿中である。
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