九州がんセンターのALK-TKI投与症例80例の臨床経過、臨床病理学的特徴をまとめ、論文化した(未発表、under review)。結果、耐性克服が最も進んでいる第一世代ALK-TKIを逐次治療には含めず、第二、三世代のALK-TKIのみを逐次治療に使用することが良好な予後、全生存期間の延長に寄与することが示唆された。一方で、やはり後治療になるほど次世代ALK-TKIであってもその奏効期間は短いことが明らかとなった。 本検討を元に、メインテーマである第二、三世代のALK-TKIの耐性機序の詳細な解析を、各症例の凍結検体を主に用いて今後継続する予定である。耐性機序の主な解析手法はRNA-seq、メタボローム解析を用いる予定だが、免疫チエックポイント分子で腫瘍の免疫逃避に関与するPD-L1高発現例でALK-TKIの奏効期間が短い症例が散見されたため、腫瘍微小環境とALK-TKIの効果の関連、耐性時の腫瘍微小環境・PD-L1発現の変化にも着目した検討を行う方針としている。
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