研究課題/領域番号 |
21K15499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日比野 沙奈 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (30836424)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | T細胞 / 腫瘍免疫 / オンコメタボライト / スペルミジン |
研究成果の概要 |
固形がんの局所に浸潤しているT細胞の多くは、がんに対する攻撃力を失った“不応答性(=hyporesponsive)”状態にある。本研究にて申請者は、低酸素・低栄養といったストレス環境下で壊死を起こした癌細胞から放出される低分子代謝物スペルミジンが、エフェクターCD8+ T細胞機能のネガティブレギュレーターとして機能することを見出した。既存阻害剤による癌細胞のスペルミジン合成系の阻害や、中和抗体などで細胞外スペルミジンを直接ターゲティングできる技術を確立することは、免疫チェックポイント阻害剤に代表されるT細胞を標的とした癌免疫療法の有効性を最大限に引き出すために有望な戦略であることが期待される。
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自由記述の分野 |
腫瘍免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍組織内では、血管形成の異常に伴い低酸素・低栄養といった過酷なストレス微小環境が形成されており、その結果大量の組織壊死が生じる。本研究は、死んだ癌細胞が免疫抑制性能を有する低分子代謝物であるスペルミジンを細胞外へ放出し、腫瘍進展に寄与することを明らかにした。スペルミジンに代表されるポリアミン類は、癌細胞内部に蓄積する造腫瘍性代謝物、すなわちオンコメタボライトとして働くことがよく知られているが、我々はその新たな役割として、エフェクターCD8+ T細胞機能のネガティブレギュレーターとしての機能を見出すことに成功した。“細胞外”スペルミジンは癌免疫療法における新規治療標的として期待される。
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