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2023 年度 実績報告書

IFNγによる腫瘍微小環境の代謝改変メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15505
研究機関岡山大学

研究代表者

西田 充香子  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60844644)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード腫瘍微小環境 / 代謝 / IFNγ / 腫瘍浸潤CD8T細胞 / 腫瘍免疫 / メトホルミン
研究実績の概要

これまでに我々はメトホルミンによる免疫治療によって腫瘍浸潤CD8 TILs (CD8 TILs)の代謝は上昇し、腫瘍細胞の代謝は低下するという興味深い現象を見出した。また、治療によりCD8 TILs のIFNγ産生が増加していたことに加え、IFNγ中和抗体投与ではこの現象が認められなかったことから、代謝変化を誘導している因子はこのIFNγではないかと考え、検討を行ってきた。事実、in vitro で腫瘍細胞にIFNγを処置すると解糖能ならびにミトコンドリア代謝や関連分子の発現が低下した。その一方でIFNγはCD8 T細胞の代謝は増加させた。さらに腫瘍細胞におけるIFNγによる代謝低下はIFNγR1シグナル欠損腫瘍では認められなかった。また、in vivo におけるメタボライト解析からも同様の知見が得られた。また、IFNγによる腫瘍細胞の代謝制御に関与している重要な分子も特定し、さらに特定した分子のノックダウン腫瘍細胞(KD 細胞)を樹立し、in vitro ならびにin vivo 実験系によってIFNγによる腫瘍細胞の代謝と機能を確認したところ、IFNγによる代謝低下だけでなく、IFNγによって引き起こされる事象(細胞死誘導など)さらに免疫治療効果も消失した。このことから特定した分子はIFNγの機能や抗腫瘍効果を制御する重要な因子であることが分かってきた。本年度はその分子のCD8T細胞における役割について検討を行った。その結果、活性化CD8T細胞では腫瘍細胞とは逆方向性に代謝や機能を制御することが判明した。このCD8T細胞における逆方向性の制御に抗原刺激に関わる分子が寄与している可能性も明らかとなり、本研究を通して腫瘍細胞とCD8T細胞を腫瘍退縮に導く方向へ代謝や機能を制御する共通分子の同定ならびにその制御メカニズムの一端を解明できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [学会発表] IFNγを介したCD8TILと腫瘍血管のクロストーク促進、及び腫瘍微小環境の代謝改変2023

    • 著者名/発表者名
      鵜殿 平一郎, 工藤 生, 西田 充香子
    • 学会等名
      第27回日本がん免疫学会総会
  • [図書] 腫瘍細胞とエフェクターT細胞の代謝競合改善を介した腫瘍免疫の向上2023

    • 著者名/発表者名
      西田 充香子, 鵜殿 平一郎
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      先進医療NAVIGATOR がん免疫療法最前線
    • ISBN
      978-4-86577-060-5
  • [図書] Immunometabolismで読み解く免疫現象 メトホルミンによる代謝リプログラミングを介した細胞傷害性T細胞の活性化機構2023

    • 著者名/発表者名
      西田充香子, CHAO Ryoyu, 鵜殿平一郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      月刊臨床免疫・アレルギー科
  • [図書] 生体の科学2023

    • 著者名/発表者名
      鵜殿平一郎, CHAO Ruoyu, 徳増美穂, 西田充香子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      代謝 IV.代謝と免疫 代謝介入による抗腫瘍免疫の変化

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公開日: 2024-12-25  

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