研究課題
若手研究
我々は、過去に筋層非浸潤性膀胱癌患者における経尿道的膀胱腫瘍切除術前の腎機能を評価し、術前に慢性腎臓病(CKD)を有する患者群(特にeGFR<45)では術後の再発率が有意に高い事を明らかにした。CKDは現在Common diseaseの一つであり、今後も増加が見込まれている。我々はその背景にある分子機序を解明することを目的とし本研究を行った。その結果、膀胱癌を含む種々の癌腫の発症進行に関与するとされる遺伝子の発現上昇を認めた。本研究の成果は新規膀胱癌治療法開発の基礎となる。
膀胱癌
膀胱癌のうち、筋層非浸潤性膀胱癌は進展リスクこそ高くないものの、全ての固形癌の中で最も局所再発を起こしやすい癌として知られる。また慢性腎臓病は現在罹患率が上昇傾向であり、今後も患者数の増加が見込まれている。筋層非浸潤性膀胱癌の治療コストは長期にわたる経過観察と治療により増加し、また患者QOLは著しく低下する。少しでも再発率を低下させる事は喫緊の課題と得る。我々の研究成果を基に新規阻害剤を開発することで、これらの問題を解決しうるものと考えられる。