• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 研究成果報告書

胃発がんにおけるARID1Aドライバー変異の影響

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 21K15525
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

藤木 亮次  千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40534516)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードARID1A / クロマチンリモデリング / エピジェネティクス / がん
研究成果の概要

ARID1Aは胃がんで高頻度に変異を生じるがん抑制遺伝子であり、クロマチン構造調節の主要因子として多くの遺伝子発現の調節に関与している。しかし、特異的DNA配列への結合能は知られておらず、そのがん抑制能については多くの不明な点が残されていた。
本研究では、この分子の機能発現にAP-1転写因子が介在することを見出した。ARID1A遺伝子を欠損させた胃上皮細胞ではAP-1の結合配列周辺でクロマチン構造の閉塞が観察され、周辺の胃上皮細胞の形質決定に関わる一部がん抑制遺伝子の抑制が見られた。
従って、ARID1A機能喪失によるAP-1周辺のクロマチン構造異常が胃発がんに寄与している可能性が示唆された。

自由記述の分野

分子生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

ARID1A機能喪失変異は特に胃がんで多く見出され、免疫チェックポイント阻害薬やATR阻害薬などの効果が検証されているものの、今のところ決定的な治療法は確立されていない。その原因の一つには、ARID1Aの分子機能が多岐にわたり、その大部分が未だ解明されていないことが挙げられる。
本研究はこれまでARID1A異常の創薬標的として注目されてきたDNA修復機構に加え、AP-1転写因子周辺のクロマチン構造の調節を下流遺伝子の発現制御が関与する可能性を示した。こうした新たな機構を担う責任因子が見つかることにより、新たな治療標的の発見や抗がん剤の創出などにつながる可能性がある。

URL: 

公開日: 2024-01-30   更新日: 2025-03-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi