本研究では、肺癌に過剰発現していることが報告されているIGF1受容体を標的とした、非ウイルス導入法によるLigand型CAR-T細胞の開発を行った。開発初期において、抗原認識部位にIGF1を採用したところ、CAR発現率が経時的に低下した。そこで、IGF1の成熟過程に注目し、未熟IGF1の変異体を用いたところ、安定したCAR発現が得られ、IGF1Rを発現する肺腺癌に対して高い抗腫瘍効果を示した。また、生体内でも持続した効果を発揮させることを目的として、アミノ酸変異を加えることで、IGF1とIGF1Rの反応を阻害するタンパクの影響を最小限にすることが可能となった。
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