研究課題/領域番号 |
21K15561
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
河野 由美子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10598957)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 放射線塞栓療法 / RI標識リピオドール |
研究実績の概要 |
in vitro実験にて、KPK-1細胞(ラット由来腎癌)とHC-4細胞(ヒト由来肝癌)の細胞株を入手し、ガンマセルを用いた外照射を行い、線量ごとの細胞増殖率を測定した。共に放射線感受性が見られ、本研究には適している細胞であることがわかった。 invivo実験では、すでに確立できている腫瘍モデルのA H109TC移植ラットに対して、放射線外照射の方法を検討した。大腿に移植している腫瘍に限局した照射を行うために、ガンマセルと専用の遮蔽器具を使用することとしたが、マウス用に作られており、ラット固定具が入らないことがわかり、当大学の3Dプリンターを用いて、独自のラット固定具を作成した。これを用いて、ラットを麻酔下で照射(9Gy/回照射と9Gy/3分割)を行なったところ、共に、安全に照射ができることがわかった。しかしながら9Gyまでの照射では腫瘍を一時的に抑制できるものの、照射後も再増大あり、腫瘍制御ができないことが判明した。 また、AH109TC株以外モデル作成も行うため、KPK-1細胞をラットへ移植し、モデル作成を試みた。しかしながら、移植後1ヶ月まで観察したが、目視では腫瘍生着が確認できなかった。解剖を行ったところ、病理組織標本 HC染色下では、腫瘍生着はわずかながら確認できたが、核分裂像は目立ち、悪性度は高そうではあるものの、乏血性であることが判明した。乏血性腫瘍モデルにはなるが、生着までは時間を要することがわかった。続いて、現在HC-4モデルラットの作成を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Lu-177標識リピオドールでのでの塞栓実験を予定していたが、RIの供給が不安定で、実践できていない。そのため、他の細胞株を用いたモデルラット作成と外照射実験を前倒ししている。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍ラットモデルの作成はまだ安定しておらず、今後はHC-4モデルの確立を目指したい。また、Lu-199標識lipiodolを使用した塞栓実験を実施していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
RI標識リピオドールが高価であるが、本年は供給量が不安定で購入できていないため、次年度使用額が生じた。来年度にRI標識リピオドールを用いた実験を計画している。
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