本研究では、ATLL患者におけるモガムリズマブ投与前後の遺伝子変異の解析を行った。治療前に約30%の症例で生じているC末端欠損型CCR4がリガンド依存的に抗アポトーシスシグナルを伝達していることを見出し、C末端欠損型CCR4と特異的に結合している可能性のあるタンパク質を複数同定した。モガムリズマブ治療中に抵抗性が生じたATLL患者において、治療後にのみCCR4遺伝子変異が生じていることを見出した。その中で、膜貫通領域に変異を持つCCR4は、CCR4と結合する小分子化合物の添加により細胞表面の発現と、モガムリズマブの細胞傷害活性を回復させられたことから、今後の併用薬としての可能性が示された。
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