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2021 年度 実施状況報告書

CAR-T細胞・BiTEの直接比較に基づく前臨床スクリーニングモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K15569
研究機関愛媛大学

研究代表者

丸田 雅樹  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10895866)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードCAR-T細胞 / BiTE
研究実績の概要

本研究課題は、新たな患者由来骨髄腫細胞を用いた骨髄腫モデルマウスにおいて、共通の抗体可変領域から作成したCAR-T細胞療法とBiTE療法の比較検討を行うことで、CAR-T細胞やBiTEのin vivoでの動態や腫瘍免疫学的作用機序について検討するとともに、造血器悪性腫瘍患者における免疫細胞療法のスクリーニングやファインチューニングに応用可能なプラットフォームの構築を目指す。
初年度には、BRGhSマウスを本学動物実験施設に導入し、安定したマウスコロニーを確立することに成功した。
また、患者由来骨髄腫細胞細胞を試験的に接種しマウス骨髄内に生着していることを確認した。しかしながら、準備実験の段階では生着率や腫瘍増殖速度にある程度のばらつきがあることから、より再現性の高い骨髄腫モデルマウスを確立するための調整を行っている。その解決策の一つとしてヒト造血細胞の生着効率を高めるためにある遺伝子の機能欠失型変異をもつマウスとの交配を行うことでより生着効率を高めた患者由来疾患モデルマウスの確立を試みている。
さらに、患者由来骨髄腫細胞に関して標的とする抗原の発現量の検討を進めている。また、複数の抗原に対する抗体可変領域情報から特異的なCAR-T細胞・BiTEの作成に現在取り組んでいる。
最終的には上記のin vitro/in vivoの検討を組み合わせることで、T細胞の特異的活性化による腫瘍免疫療法のファインチューニングが可能な実験系の確立を目標として継続する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vivoの実験では概ね予定通り患者由来モデルマウスを作成するために必要なステップを進めることができている。BRGhSマウスを本学動物実験施設に導入し、安定したマウスコロニーを確立することができつつある。予備実験段階ではあるが患者由来骨髄腫細胞のいくつかがスムーズに生着しモデルマウスを作成することができることを確認した。並行して、ヒト造血細胞の生着効率を高めるために機能欠失型変異をもつマウスとの交配を試みている。この過程でいくつかの課題も浮き彫りとなっており、より再現性の高い骨髄腫モデルマウスを確立するための各種条件の細かな調整を今後続ける必要がある。
in vitroの実験については、患者由来骨髄腫細胞に関して標的とする抗原の発現量の検討を進めており、複数の抗原に対する抗体可変領域情報から特異的なCAR-T細胞・BiTEの作成に並行して取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

in vivoの実験系においては、いくつかの条件を最適化することで再現性の高い骨髄腫モデルマウスの作成を目標として検討を続ける予定である。並行して、ヒト造血細胞の生着効率を高めるために機能欠失型変異をもつマウスとの交配を行うことでより生着効率を高めた患者由来疾患モデルマウスの確立を進めている。患者由来骨髄腫細胞の細胞数やストックしてある検体量に大きなばらつきがあることは今後解決すべき課題であり、初発時の臨床検体保存に関して患者の理解を得ながら検体保存を促進していくことも重要と考える。
in vitroの実験については、我々のこれまでの研究により方法論は確立されているが、CARやBiTEの設計、細胞の培養、トランスダクションなど各ステップにそれなりの時間を要することから、今後はモデルとする抗原・抗体を絞り込んで検討を続ける予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A single-chain antibody generation system yielding CAR-T cells with superior antitumor function2021

    • 著者名/発表者名
      Ochi Toshiki、Maruta Masaki、Tanimoto Kazushi、Kondo Fumitake、Yamamoto Toshihiro、Kurata Mie、Fujiwara Hiroshi、Masumoto Junya、Takenaka Katsuto、Yasukawa Masaki
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 4 ページ: 273

    • DOI

      10.1038/s42003-021-01791-1

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規改変型二重特異性抗体の作製と骨髄腫に対する革新的免疫療法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      小西達矢, 越智俊元, 丸田雅樹, 谷本一史, 齋藤卓, 今村健志, 安川正貴, 竹中克斗
    • 学会等名
      第46回日本骨髄腫学会学術集会
  • [学会発表] 難治性骨髄腫に対する新規治療を目指した次世代型遺伝子改変二重特異性抗体の開発2021

    • 著者名/発表者名
      小西達矢, 越智俊元, 丸田雅樹, 谷本一史, 斎藤卓, 今村健志, 安川正貴, 竹中克斗
    • 学会等名
      第13回日本血液疾患免疫療法学会学術集会
  • [学会発表] Development of novel immunotherapy for myeloma using a new BiTE-based modality.2021

    • 著者名/発表者名
      Konishi, T., Ochi, T., Maruta, M., Tanimoto, K., Saitou, T., Imamura, T., Yasukawa, M., Takenaka, K.
    • 学会等名
      第83回日本血液学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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