研究課題/領域番号 |
21K15576
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹田 貴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60897106)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 重複癌 / Lynch症候群 / 遺伝性乳癌卵巣癌 / 治療抵抗性 / 相同組み換え修復 / オルガノイド |
研究成果の概要 |
Lynch症候群における、子宮内膜、卵巣の同時発癌は、一般集団における同時発癌が進行転移性を示唆する近年の報告と異なり、それぞれの臓器から発癌した初期癌が多いことが示された。また、各癌はともにLynch症候群の特徴である腫瘍変量量が多く、免疫チェックポイント阻害薬の良い適応であった。また遺伝性乳癌卵巣癌に多い漿液性卵巣癌においては、PARP阻害薬の適応を決める相同組み換え修復機構が、化学療法によって変容しうることが示され、適切な検体での検査実施が治療法選択に重要であると考えられた。現在オルガノイドによる卵巣癌発癌モデル樹立が進んでおり、予防薬、早期診断への寄与と他婦人科癌への発展が期待される。
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自由記述の分野 |
婦人科癌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Lynch症候群や遺伝性乳癌卵巣癌など、遺伝的に婦人科癌を発症する疾患では、同時多発的に複数の臓器に癌を生じてくることがあるが、特に子宮内膜、卵巣に同時に癌を生じた場合は、組織型が異なる場合は完全に独立した癌である可能性が高いことが示され、同時に各癌の治療を行うことの重要性と特に明細胞癌における免疫チェックポイント阻害薬の有用性が示唆された。また漿液性卵巣癌においては、PARP阻害剤の適応判断となるHRDステータスが、化学療法によって変動する可能性も示唆され、適切な検体を用いた検査施行が、治療選択に重要であると考えられ、今後の卵巣癌の治療戦略構築に影響するものと考えられた。
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