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2022 年度 実施状況報告書

PVT1 RNAに着目した新たなリンパ腫の分子病態解明と新規標的治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K15579
研究機関愛知医科大学

研究代表者

水野 昌平  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70556638)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードPVT1 / 環状RNA / long non-coding RNA / リンパ腫 / 8q24
研究実績の概要

染色体8q24(以下、8q24)は増幅や染色体14q32との転座により、8q24に座位する遺伝子、とりわけMYCを過剰発現し、悪性化に密接に関わる。血液腫瘍では、MYCの過剰発現は特にバーキットリンパ腫の病態形成、びまん性大細胞性B細胞型リンパ腫(DLBCL)や骨髄腫の予後に関連する。最近、8q24との相互転座をもつ骨髄腫の患者や細胞株において転座部位が、MYCではなくMYC近傍にあるPVT1であることが見出された。PVT1は8q24に座位し、MYCの57kb下流に位置する全長200kbを超えるnon-protein coding geneである。さまざまながん腫の病態に関わるPVT1や環状PVT1の詳細な分子機序は依然として不明である。研究代表者は、8q24領域のゲノム増幅とPVT1の高発現をもつDLBCL症例からリンパ腫細胞株AMU-ML2を樹立した(Mizuno et al, FEBS open bio, 2018)。アレイCGH解析により、そのHSRはMYCとPVT1の両遺伝子を含んでいた。また、AMU-ML2は、8q24転座を伴う他のB細胞リンパ腫細胞株と比べてPVT1や環状PVT1の高発現を認めた。さらに、薬剤感受性試験ではAMU-ML2において顕著なビンクリスチン感受性の低下を認め、PVT1に加え環状PVT1がこの耐性機序に関わる可能性が示唆された。2021年度より、DLBCL患者検体におけるMYC 、PVT1や環状PVT1の発現をコントロール検体と比較し解析を行っている。DLBCLは低悪性度B細胞リンパ腫やその他のリンパ腫に比べ、MYCや環状PVT1は高発現を示す傾向であったが、PVT1の発現の上昇は認めていない。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

リンパ腫におけるMYC 、PVT1や環状PVT1の発現解析に着手し、その他疾患との比較などは行った。一方、解析症例数が十分に進まないことや、環状PVT1のノックダウンや遺伝子導入による薬剤感受性検討などにはまだ着手できていない。

今後の研究の推進方策

解析結果を基に診断・予後のバイオマーカーとなるかを検証する。PVT1や環状PVT1のCRISPR/Cas9システムによるノックダウンやレンチウイルスベクター用いたトランスフェクションにより遺伝子導入を行い、薬剤感受性や薬剤耐性について解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

進捗が遅れたため、使用計画額に差が生じた。次年度はPVT1や環状PVT1のCRISPR/Cas9システムによるノックダウンやレンチウイルスベクター用いたトランスフェクションにより遺伝子導入を行い、薬剤感受性や薬剤耐性について解析を進める。

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公開日: 2023-12-25  

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