膵癌において間質標的治療の有望性を示唆する報告は多数あるが、実臨床に向けての治療法はまだ確立されていない。これまでの報告の多くが癌細胞のストレス応答に関与するものであったが、本研究では膵癌に特徴的な豊富な間質細胞における小胞体ストレス反応経路が膵癌の進展や既存治療に対する抵抗性に寄与することを明らかにした点で学術的意義は大きい。また、膵癌における間質標的治療の新たなターゲットとしてERAP2を同定したことで、今後の膵癌新規治療法の開発の一助となる可能性もあり、新規治療法の開発が急務である膵癌治療において、本研究の果たす社会的意義も大きい。
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