脳腫瘍環境下におけるがん免疫の機序に関しては未だに不明な点が多い。今回の研究では脳腫瘍治療で主に用いられる放射線治療ががん免疫にもたらす影響を検証すべく実験を行った。本研究では放射線治療後の臨床検体を用いた実験に加え独自に樹立した実験系を用いて放射線治療がもたらすがん免疫応答への影響を検証した。結果、放射線治療はがん免疫応答に重要な役割を果たす樹状細胞や細胞傷害性T細胞を活性化させることでがん免疫応答を活性化させていることが示された。この結果から脳腫瘍に対しがん免疫療法を行う際は放射線治療を併用することで治療の効果を高めることができる可能性が示唆された。
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