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2021 年度 実施状況報告書

腹腔洗浄液の高深度プロテオーム解析による膵癌腹膜播種再発予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K15606
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

川勝 章司  愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (20895982)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵癌 / 腹膜播種 / 腹膜播種 / バイオマーカー / プロテオミクス / 自己抗体
研究実績の概要

膵癌はもっとも予後不良な固形癌であり、外科的切除後1年以内に約50%が、2年以内に約80%が再発をきたすなど、切除可能膵癌であっても、いまだに予後は極めて不良である。術後再発としては、肝転移と腹膜播種が多く、それぞれ約40%、20-30%の頻度で起こる。現在腹膜播種の診断法として術中腹腔洗浄細胞診が行われているものの、その臨床的意義は、いまだ十分に定まってはいない。その一方で、最近、膵癌腹膜播種に対しての腹腔内化学療法の有用性が報告されるなど、腹膜播種再発の予測バイオマーカーの重要性は増している。腹腔洗浄液中のタンパク質や自己抗体は、腫瘍DNAなどとともに、癌の腹膜播種予測に有用なバイオマーカープラットフォームとなりうる。本研究では、膵癌の腹膜播種再発症例や非再発症例などから外科手術時に得られた腹腔洗浄液検体を用いて、タンパク質と抗原―自己抗体複合体の網羅的かつ高深度なプロファイリングを行う。本年度は、検体収集を中心に行い、膵癌手術例30例、胃癌手術例119例、大腸癌手術例203例から腹腔洗浄液を収集した。また、新規マススペクトロメトリーの導入に伴い、体液プロテオーム解析プロトコルの最適化を中心に研究を進め、高深度の体液タンパク質プロファイリングが可能になった。今後は、検体収集を引き続き行うと共に、腹腔洗浄液のプロテオーム解析を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、電界非対称イオンモビリティスペクトロメトリー液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC-FAIMS-MS/MS)を導入したため、体液プロテオーム解析プロトコルの最適化を中心に研究を進めた。その結果、2,000個超の体液微量タンパク質、1,000個超の免疫グロブリン結合タンパク質が同定定量できるようになり、世界最高深度の体液タンパク質プロファイリングが可能になった。また、膵癌手術例30例からの腹腔洗浄液を収集した。そのうち2例について腹膜播種再発、6例について多臓器転移再発が確認されている。対照として、胃癌手術例119例、大腸癌手術例203例からも腹腔洗浄液を収集した。

今後の研究の推進方策

今年度は膵癌手術例由来の腹腔洗浄液について、プロテオーム解析を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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