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2021 年度 実施状況報告書

尿中細胞を用いた筋強直性ジストロフィー1型骨格筋細胞モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K15621
研究機関信州大学

研究代表者

佐藤 充人  信州大学, 医学部, 特任助教 (10816630)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード筋強直性ジストロフィー / 尿中細胞 / 細胞モデル
研究実績の概要

健常人、筋強直性ジストロフィー(DM1)患者から尿の提供を受け、尿中細胞の分離・培養を行った。DM1患者尿中細胞のFISH解析を行い、核内に疾患に特異的なRNA凝集体の形成を確認した。またRNA凝集体に一致したMBNL1の共在も観察されおり、これはDM1病態を反映するものである。また尿中細胞の継代と共に、凝集体数が増加すること、DMPK遺伝子のCTGリピートが伸長すること(サザンブロットを実施)を確認した。
次に尿中細胞にレトロウイルスベクターを用いたMYOD1遺伝子導入を行い、骨格筋への分化誘導を行った。MYOGENINの発現を認め、筋管形成が観察された。得られた筋細胞を用いて、RT-PCRによる骨格筋関連RNAのスプライシング異常の検出を行った。一部の遺伝子でヒト骨格筋で報告されていると同様なスプライシング異常を検出することができた。しかしセルラインごとの分化効率に差が大きく、安定的な筋分化誘導が得られなかった。また筋分化誘導に用いた試薬によって、筋分化誘導関連遺伝子以外の解析対象とする遺伝子の発現にも影響する可能性が示唆された。そこで現在、尿中細胞内にmRNA発現をより強力に発現誘導し、分化誘導効率を高める培養条件の検討を開始している。これまで用いていたウイルスベクターによる導入方法に比べより短期間にMYOD1 mRNAの発現が可能となっているが、効率的な筋管形成には至っておらず、複数の条件・添加因子の検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

DM1患者リクルート数が予定の半数も満たしておらず、分離・培養できたDM1患者尿中細胞が4例と予定よりも大幅に少ない。また尿中細胞の筋分化誘導が安定的に行えておらず、現在、他の誘導方法を検証している。

今後の研究の推進方策

DM1患者のリクルート数を増やす。初回の尿採取で分離・培養できなかった例が半数あり、再度尿提供を依頼する。
筋分化誘導方法の改良を行い、安定的で効率的な筋分化誘導を目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた学会における研究成果発表が行えず、旅費・参加費等の支出がなかったこと、また実験の進捗状況の遅れから、予定よりも予算の執行が遅れている。
残額は次年度における物品費として使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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