研究目的1 インフルエンザ関連脳症(IAE)動物モデルの妥当性の検討1)IAEモデル動物における組織学的変化等を検討する。我々が作成したIAE動物モデル脳において、組織学的には、血管原性浮腫、びまん性出血、血管内皮細胞の剥離と数の減少、活性型アストロサイトの増殖や突起断裂が認められ、これはヒト剖検脳の所見と似通っていた。現在ウイルス学的検討をすすめているところである。 研究目的2 IAE発症までの空白時間に関与する因子を特定する。1)IAE動物モデルにおけるウイルス学的検討を行う。上記のアストロサイトや血管内皮細胞の変化は、ウイルス投与後時間を経るとともに増強し、出血は48時間から認められた。特定の場所はみつかっていないが、現在ウイルス蛋白やRNAを含めたウイルス学的検討が進行中である。2)ウイルスの活動を阻害する物質を用いて、IAE動物モデルの病態変化を検討する。現在抗ウイルス薬等複数の薬剤等を用いて、また投与時間を変えて研究を遂行中である。薬剤効果は投与時間により異なることがすでに判明している。 研究目的3 ヒトIAE脳等を用いて発症因子を同定する。1)IAE 脳を利用し各種omics を用いたIAE 発症因子を同定する。ヒトautopsy脳については、手続きが終了し、実験を開始した。染色において、IAEモデル脳と同様の変化が認められており、ウイルス学的検討をさらに進める予定である。
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