研究課題/領域番号 |
21K15668
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
平井 邦朗 昭和大学, 医学部, 助教 (60835940)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / フレイル / サルコペニア / ロコモティブシンドローム |
研究実績の概要 |
COPD患者におけるフレイルを主体とした多様な研究がなされている。 COPD患者やその家族における満足度調査・社会的フレイルのCOPD患者に与えるインパクトなどの研究は既に論文化しており着実な研究成果が出ている。 COPD患者とその家族の多くは現在のCOPD患者の呼吸状態に満足しておらず、満足度に最も関連していた因子はCATスコアというQOLを反映するスコアであった。満足/不満足のカットオフとなるCATスコアの値は11であり、国際的なCOPD診療指針の推奨する治療強度のスコアと同様の結果であった。また、年齢や性別、呼吸機能よりもCATスコアが満足度と慣例が強いという結果は興味深い結果であった。また、COPD患者やその家族は、呼吸状態に不満足であると回答した患者であったとしても、治療内容については外来主治医に一任するという内容であった。 社会的フレイルはCOPD患者においてその該当率が高く、心身における臨床的インパクトが大きいことが示された。多変量解析の結果、社会的フレイルは呼吸困難感と独立した関連性があり、呼吸困難感がある結果社会的活動性が低下し、社会的フレイルにつながる可能性が示唆された。また、食欲のスコアも社会的フレイルと独立した関連因子であったが、こちらについては社会的な脆弱性を備わった患者の場合は食欲が低いことが示唆され、今後縦断的な追跡を行った場合に体重低下につながる可能性があるかなどを検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
縦断的研究についてはCOVID-19の影響もあり予定よりも十分なサンプルサイズの収集が適っていないが、今後さらなる患者参入が見込める。
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今後の研究の推進方策 |
オーラルフレイルや身体活動性を主体とした測定を行い、縦断的評価・解析を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19蔓延状況下において、オーラルフレイル並びに身体活動性の評価が感染管理対策上敬遠されたため実施できていなかったが、今後これら測定を行うための機器購入を行う。
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