研究課題
若手研究
てんかんの発作関連領域外におけるネットワーク異常は明らかになっていない。我々は、側頭葉てんかんにおいて覚醒・睡眠を厳密に分けて体性感覚誘発磁界(SEFs)を評価し、発作関連領域外の体性感覚野の皮質興奮性が覚醒時にのみ異常をきたすことを明らかにした。本研究では、覚醒・睡眠を厳密に分けたSEFs評価により、健常者で睡眠時に潜時の延長を認めた。また、若年性ミオクロニーてんかんでSEFsの異常を認めた。覚醒・睡眠を厳密に分けたSEFs評価は、てんかんネットワークの新たな解明に有用と考えられる。
電磁気神経生理学
覚醒時と睡眠時を厳密に分けた体性感覚誘発磁界を用いたてんかん患者の大脳皮質興奮性の検討は、我々が報告した新手法である。本手法を用いて、てんかん発作関連領域および関連領域外の皮質興奮性の評価を行うことにより、てんかんの病態の解明および治療の発展に貢献できる可能性がある。また、本手法はてんかん以外の神経疾患にも応用が可能であることから、大脳・視床間のネットワーク異常の定量評価法として、応用が期待される。