研究課題/領域番号 |
21K15682
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤嶺 祥真 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00846222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / 認知症 / 血液バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度において最適化したEV分離およびプロテアーゼ処理、後処理の条件に基づき、ヒト血漿をもちいてアッセイ適用を検討した。高感度測定系での条件検討に際して、一部試薬の価格高騰等に伴い使用試薬の変更を余儀なくされたため、条件の再検討を実施し代替試薬でも同様の結果が得られる事を確認した。結果的には、幸いにも測定に際して要する費用の低減を実現する事ができた。 次いで、健常ヒト血漿において測定の再現性を評価し、その結果に基づきプロトコルの改善(より詳細な具体化)を行った。検討にあたっては複数の個人から得られたサンプルを用い、個人間の差異(変動量)も評価対象とした。また、測定にあたっての希釈法・EV膜溶解法の検討を更に実施した。複数のバッファーおよび界面活性剤を用い、EVの酵素処理時に加えて、測定時に際しての条件変更によりバックグラウンドを低減し、よりシグナル・ノイズ比を高められる手法を検討した。これにより、疾患群に対してシグナル値がより低いと考えられる健常者や発症前段階においても測定値をより安定的に算出できるようにし、測定値を二値ではなく連続変数として扱える可能性をより増すものとした。 最終的な血液バイオマーカーとしての妥当性・有用性検証のため、認知症患者血漿での測定を予定している。対象疾患は当初の予定通りとし、サンプルの臨床情報を整理・準備している段階である。既に収集・保存された臨床サンプルを利用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高感度測定系での条件検討に際して、一部試薬の価格高騰等に伴い使用試薬の変更を余儀なくされたため、条件の再検討を実施し代替試薬でも同様の結果が得られる事を確認する必要があった。また、測定の再現性などの検討に想定よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
認知症患者血漿を用いた本アッセイによる測定を予定している。サンプルは既に収集・保存されたものを用い、臨床情報と紐づいた状態にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
条件検討に際し当初予定していたよりも時間を要することとなったため、計画の最終段階である患者血漿を用いた有用性の検討の開始が遅れたため。次年度はこの段階を可及的速やかに実行する見込みである。
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