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2023 年度 実施状況報告書

錯視現象と視線解析を組み合わせた認知症早期診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K15687
研究機関杏林大学

研究代表者

徳重 真一  杏林大学, 医学部, 助教 (30814561)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード認知症 / 眼球運動 / 視線解析
研究実績の概要

本研究は、錯視という、物を見るときに誤って認識してしまう現象と、視線解析装置という人の視線の動きを記録する装置を組み合わせることにより、認知症を早期に診断する手法の開発を目指すものである。
令和3年度はその前段階として、人の視線の特徴を詳しく調べることを目的に、脳深部刺激療法(DBS)が図形を見る際の人の視線の動きに及ぼす影響を解析した。結果として、図形を見る際の眼球の加速や減速に要する時間はDBSの影響を受けないことを示した。
令和4年度は、若手研究「視線解析を用いた認知症の診断方法の開発」(19K17046)の内容とも重複するが、これまでに蓄積したアルツハイマー病患者と健常高齢者の視線解析のデータを比較し、アルツハイマー病における眼球運動や視線の挙動の特徴を見出した。すなわち、アルツハイマー病患者は、画像を見る際に重要な場所への注目をあまりせず、物を探索する課題をさせると目標物に辿り着くまで多くの視線の動きが必要となる。さらに瞳孔径を比較すると、健常者では視覚探索課題の実施中に瞳孔径が拡大するが、アルツハイマー病の患者ではその拡大が目立たない。これらの特徴を用いると健常者とアルツハイマー病の患者を鑑別することが可能であるということを示し、論文を執筆して投稿した結果、令和4年度内に採択され公表された(Tokushige SI, Matsumoto H, Matsuda SI, et al., Early detection of cognitive decline in Alzheimer's disease using eye tracking. Front Aging Neurosci. 2023;15:1123456)。
令和5年度は、アルツハイマー病の瞳孔面積に関する研究成果を日本神経学会の学術大会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

錯視現象を利用した視線解析の実験系を作成するのに難渋しているため。

今後の研究の推進方策

今後は錯視発生時の眼球運動を記録する実験系を構築し、まずは健常者、認知症患者のデータを収集する予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験系の構築に時間を要し、年度内に被験者を募って実験することができなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] アルツハイマー病のバイオマーカーとしての瞳孔面積変化2023

    • 著者名/発表者名
      徳重真一、寺田さとみ、濱田雅、辻省次、宇川義一、寺尾安生
    • 学会等名
      第64回日本神経学会学術大会
  • [備考] 認知機能低下の早期発見にアイトラッキングはどの程度有用か

    • URL

      https://www.carenet.com/news/general/carenet/56368

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公開日: 2024-12-25  

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