研究課題/領域番号 |
21K15692
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小松 潤史 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (70770345)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 頭部MRI / アルツハイマー病 / 海馬容積 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease: AD)はアミロイドβ蛋白(Aβ)を主成分とする老人斑や過剰リン酸化タウ蛋白を主成分とする神経原線維変化の蓄積を特徴とした進行性変性疾患である。AD の発症には遺伝的因子や生活習慣関連因子が関与する。稀な家族性AD の遺伝子変異を除けば、最大の遺伝的危険因子はアポリポ蛋白E(APOE)遺伝子(APOE)ε4 アレル(APOE E4 アイソフォーム)である。また、AD の有病率は男性に対し女性で有意に高い。研究者は「APOE E4保有女性 というハイリスク群において、認知障害を発症せず、かつ海馬容積が保たれている住民が、ADに対する強力な防御因子を持っている」という仮説を立て検討を行なっている。頭部MRI画像から、海馬容積を求めそれを目的変数とし、血液検査データ、生活習慣、生活習慣病の既往、喫煙・飲酒などの嗜好歴、内服薬などの データを説明変数とし、認知機能正常・APOE E4保有女性群に対して多変量解析を行い、海馬容積と相関する防御因子、危険因子を検討する。 2021年度は画像解析プログラムであるFree surferを用い、各症例の3-D T1WI画像を解析し、海馬容積を含めた大脳各部位の容積を求めることを行なった。2022年度は多変量解析を行い、各症例の海馬容積と、血液データや生活習慣、嗜好歴などとの相関を検討するために統計学的解析を進めた。2023年度は解析方法の見直しと症例数の拡大を検討した。再解析を行なっているが、海馬容積と相関、あるいは逆相関するような因子の特定には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データを整理し、統計学的解析を行なったが、結果が明確でなく、手法の見直しや対象症例群のN数拡大など検討している。
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今後の研究の推進方策 |
統計学的解析手法の見直し、対象となる症例群の拡大の検討。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析に必要と考えていたパソコンについては、新規購入がなくとも解析が可能と考え、購入を見送った。対象症例数増加のためMRI撮影などを行なったが、差額が生じたために次年度使用額が生じた。来年度は解析方法を再考し、必要であればPCの購入や統計ソフトの購入など考えている。
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