原因遺伝子の同疾患の発病メカニズムの解明や治療法の開発に重要であるにもかかわらず、MSAでは明確な原因遺伝子が報告されていない。これはMSAの大部分が孤発性であるために、原因遺伝子の絞り込みが困難であることが一因である。近年では大規模スクリーニングが実施されているが、有意性がある遺伝子の同定には至っていない。 一方、本研究で孤発性MSAを対象に解析する遺伝子は、極めて稀なMSA血族婚家系の解析結果を根拠にしたものである。この遺伝子を孤発性MSAの原因遺伝子としても同定できれば、全く分かっていないMSAの遺伝的要因を新たに示すものとなる。
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