本研究では、特発性小径線維ニューロパチー患者を対象として、抗Plexin D1抗体を測定したところ、15.8%で抗体陽性者を認め、灼熱痛や刺痛といった小径線維障害を反映する症状の割合が高いことを明らかにした。さらに新たな神経障害性疼痛関連自己抗体として、Annexin A2に対する自己抗体に注目し、測定系としてELISAを確立し、神経障害性疼痛患者と疼痛を有しない患者を対象として抗Annexin A2抗体を測定したところ、神経障害性疼痛患者で有意に保有率が高いという結果が得られた。研究期間全体を通して、自己抗体が介在した小径線維ニューロパチーならびに神経障害性疼痛患者の臨床像の解明ができた。
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