研究成果の概要 |
本研究では遺伝性ニューロパチーや脊髄小脳変性症の包括的遺伝子診断 (次世代シークエンサーを用いたターゲットパネル解析や全エクソーム解析)を申請者が開発した解析パイプラインを併用することで効率的に実施した.これまでに解析を行なった2695例のCMT患者については疫学的特徴や臨床的・遺伝的特徴をまとめて学術論文として報告した.また既報告遺伝子も多数同定し, PTRH2遺伝子, SLC12A6遺伝子, NEFH遺伝子, POLR3B遺伝子についてはそれぞれ臨床的・遺伝的特徴を学術論文として報告した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全エクソーム解析データから原因遺伝子を同定するためにはその膨大な数の変異をそれぞれ病原性判定する必要がある.しかし既知の病原性変異であるかの確認やACMGガイドラインにそった解析 (複数のコントロールデータベースとの比較や複数のin silico analysisなど)は非常に煩雑である.本研究ではRを用いた解析パイプラインを構築し, 病原性判定を自動化するとともに, 多数の症例を横断的に解析を可能とした.本研究の成果は,本邦の遺伝性神経疾患患者の遺伝子診断を確定する効率的な解析手法を構築したことであり, 遺伝子診断が確定することで病態解明や治療法開発にも寄与する.
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