研究課題
最新の日本国内人口動態統計によると、10~44歳の死因第1位は「自殺」である。このように若年者の自殺率は高止まり・増加の一途を辿っており、深刻な社会問題とされる。またCOVID-19による種々のストレスにより、さらなる自殺の増加が世界的に懸念されている。自殺者試料の収集が困難なため、自殺の遺伝学的知見の獲得は大幅に遅れている中、申請者は、国内唯一・アジア圏最大の自殺者DNA試料を有し、プーリングサンプルを用いた網羅的ゲノム・エピゲノム解析により、30歳代以下の自殺者における①末梢血テロメア異常短縮、②末梢血DNAメチル化年齢の異常老齢化、③自殺リスクに強く関連するGTF2IRD1遺伝子多型の存在、という予備的知見を見出した。本研究では、20例の若年自殺者末梢血DNA各々のInfinium MethylationEPIC arrayによる網羅的メチル化データ取得を新たに行い、末梢血テロメア異常短縮、末梢血DNAメチル化年齢の異常老齢化、さらには末梢血natural killer細胞数異常増加の知見を独立サンプルで追試・見出すことができた。現在、若年自殺者の網羅的メチル化データのサンプルサイズをさらにスケールアップしている。また若年自殺者を含む約600例の自殺者のGTF2IRD1遺伝子多型データの追加取得も完了し、現在、理化学研究所BBJのコントロールデータを比較対照群として用いながら、同多型の若年自殺への効果を解析中である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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