研究課題/領域番号 |
21K15720
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
曽根 大地 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10802051)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | てんかん / 脳画像 / 精神神経疾患 |
研究実績の概要 |
2022年度はまず、てんかんに合併しうる重要な精神症状である精神病症状について、その神経基盤・メカニズム解明のため、発作間欠期の18F-FDG-PET画像およびMRIを解析し、小脳上部から中脳にかけての糖代謝亢進が起こっていることを発見し、国際学会(14th Asian & Oceanian Epilepsy Congress)および国際誌にて発表を行った(Sone D, et al. Epilepsia Open. 2022)。近年、小脳について、運動機能のみならず認知や感情との関連を示唆する報告が相次いでおり、てんかん精神病についても同部位の関わりが示唆された。その後、この結果に加えて、てんかんに合併する精神病症状の神経基盤と脳画像所見に関するこれまでの国内外の既報論文をまとめた総説を発表した(Sone D. Front Psychiatry. 2022)。更に、てんかんや他の精神神経疾患において更なる応用と発展が期待されるバイオマーカーであるNeuroimaging-Based Brain Age Estimationについても、100報以上の論文をまとめた総説を発表した(Sone D & Beheshti I. J Pers Med. 2022)。これらの総説論文により、てんかんの精神症状や脳画像バイオマーカーにおける現状と問題点が更に整理され、今後のこの分野の研究発展に寄与されることが期待される。現在は、拡散テンソル画像を用いた白質繊維に基づく新たなバイオマーカーについて、主に人工知能や機械学習の手法を用いて解析中であり、一部は既に結果が出ており学会発表および投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年に引き続き、国際誌に原著論文および総説論文を継続的に発表しており、今後も更に研究を進めていけると考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
既存データからの解析と研究結果発表を継続しつつ、新規のデータ取得も更に進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の助成金は論文オープンアクセス費用等に主に用いた。PC等の機器の購入を検討したが、円安のためオープンアクセス費が高額になったため、機器の購入には残高がやや不足しており、次年度に繰り越すこととした。次年度の使用額は、解析機器の購入もしくは今後も高額が予想されるオープンアクセス費用等に充てる予定である。
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