研究課題
若手研究
本研究は、統合失調症の治療反応性の予測因子として、自閉症的特性やオキシトシン/バソプレシン系システムが関与している可能性を検討する研究である。方法としては、統合失調症患者を自閉症的特性が高い群と低い群に分類し、精神症状重症度や神経/社会認知機能を測定している。結果として、自閉症的特性が高い群は低い群と比較し精神症状が重篤であること、社会認知機能障害が重篤であること、さらに、自閉症的特性にはバソプレシン系システムが関連している可能性が示唆された。
統合失調症
統合失調症と自閉症スペクトラム障害の異同に関する問題は継続的に議論されているが、本研究において、統合失調症の自閉症的特性が統合失調症の治療反応性の予測因子となる可能性が示唆されたことや、バソプレシン系システムとの相関性が示されたことにより、今後の統合失調症と自閉症スペクトラム障害に関する研究において更なる方向性を示すものになると考えられる。また、統合失調症の治療抵抗性に自閉症的特性が大きく関与していることが示唆され、今後の統合失調症における治療の新たな方向性を示すものとなる可能性が考えられる。