研究実績の概要 |
強迫症アプリの第一弾のパイロット結果を得た。忍容性は低く8週時点でのセッション到達率(%)(=進行セッション数/全セッション数×100)は 47.5%, 27.5%, 32.5%であったが、効果は高く、プライマリアウトカムの強迫症症状(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale: YBOCS)変化は、21→6、21→16、18→13で、セカンダリアウトカムである他の強迫症症状(Obsessive Compulsive Inventory-revised: OCI-R)、うつ症状(Primary Health Questionnaire-9:PHQ-9)、不安症状(Overall Anxiety Severity and Impairment Scale:OASIS)のいずれもほとんどの参加者で改善を認めた。独自作成したアプリと患者との関係性の質問では、アプリと患者との間に治療関係が成立しうることが示唆された。この結果をうけて、忍容性を高めるべく、セッション数を減少させた第二版を作成した。その結果、忍容性は高くなり、セッション到達率は81.0%, 85.7%, 100%と高く、効果も高かった。プライマリアウトカムの強迫症症状(YBOCS)は21→15、24→16、26→19と改善した。他のセカンダリアウトカムのOCI-R, PHQ-9、およびQOL尺度でもほとんどの参加者で改善を認めた。アプリと使用者との関係性は、Scale To Assess the Therapeutic Relationship(STAR)で計測したが、いずれも良好な関係性が築けることが結果から示唆された。
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