研究課題/領域番号 |
21K15731
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
酒本 真次 岡山大学, 大学病院, 助教 (30747093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 術後せん妄 / バイオマーカー / ミクログリア / サイトカイン / 認知機能 |
研究実績の概要 |
研究の目的として、術後せん妄は特に高齢患者において、生命予後に大きな影響を与える合併症であり、せん妄は精神症状・活動性により「過活動型」と「低活動型」に分類されるが、とくに「低活動型」せん妄は診断が困難なことが多く、早期に発見し介入するためにはバイオマーカーの発見が必須である。本研究では、老齢マウス手術モデルを使用し認知機能に加え、精神症状の指標となる活動性、意欲、社会性などをあわせて評価し、「過活動型」と「低活動型」に分類を試みる。これらのマウスを用いて脳内ミクログリア・末梢血グルタミン酸濃度や炎症性サイトカインを測定し「過活動型」と「低活動型」せん妄を分類するバイオマーカーを探索する。同定されたバイオマーカーをトランスレーショナルに用い、術後せん妄患者・ハイリスク患者においても測定し、個別化されたせん妄予防・早期治療に繋げることを目的とすることである。 老齢マウスに対して疑似手術を行い、各種行動実験を実施し、結果により、非せん妄群・低活動型せん妄群・過活動型せん妄群に分類し、また行動実験後に安楽死させたマウスから脳(前頭前野・海馬)を取り出し、各部位においてアイソレーションキットを用いてミクログリアを抽出する予定であった。現在、老齢マウス入手に関する手続き、行動実験の最適化などを進めている。 同定されたバイオマーカーをトランスレーショナルに用い、術後せん妄患者・ハイリスク患者においても測定し、最終的に個別化されたせん妄予防・早期治療に繋げることが可能と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床・教育業務との兼ね合い、新型コロナウイルス感染症まん延に伴う研究従事人材確保の困難など。
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今後の研究の推進方策 |
予定されていた老齢マウスを用いた実験を推進し、脳内ミクログリア・末梢血グルタミン酸濃度や炎症性サイトカインを測定し「過活動型」と「低活動型」せん妄を分類するバイオマーカーを探索する研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画の遅れにより、老齢マウスを用いた実験が延期となっているため。
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