研究課題
これまでの取得データについて、追加の解析を行った。具体的には、FDR補正を用いた矢印条件・視線条件における自閉スペクトラム症(Autistic Spectrum Disorder: ASD)群 vs 定型発達(Typical Development: TD)群の脳活動の差を検出する解析を行った。その結果、TD群では視線の動きに反応する際に、上側頭回、中側頭回、中前頭回の連動回路を用いているのに対し、ASD群ではその回路を使用していないと思われる脳活動を同定した。これらの結果を、The 11th Congress of The Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions(ASCAPAP 2023 in Kyoto)にて、PO-121Measurement of brain activity by magnetoencephalography during a gaze cognition task in adults with autism spectrum disorderの演題名で発表し、Best Poster Awardを受賞した(https://child-adolesc.jp/ascapap2023/poster-presentations/)。また関連する解析結果を第45回日本生物学的精神医学会にも脳磁図を用いた自閉スペクトラム症の視線認知メカニズム研究の演題名で発表した。
3: やや遅れている
2023年度はこれまでに取得したデータの解析及び発表に主眼を置いた。また、物価高騰および円安の影響で、脳磁図(MEG)のランニングコストが従来の約2000万円/年から、年々増加しており、2024年には4400万円/年に達する見込みとの報告を受け、MEGをお借りしている西新潟中央病院がMEG稼働停止を検討しているとのことで、何とか測定を続けることができないか、研究継続の可能性を探っている。
年間通してのMEG稼働が不可能でも、1年のうち数か月のみMEGを稼働して頂くなど、可能な範囲で研究継続できないか、可能性を検討している。新たな測定が不可能となれば、これまでに取得できているデータを論文化し、本研究を終了する。
前述の理由によりMEG測定が予定通りに進まず、経費が残存した。今後の方針も前述の通り。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 6件) 図書 (1件)
BMC Psychiatry
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