研究実績の概要 |
本年度も新型コロナウィルス流行に伴い診療業務への負担増が大きく、研究に従事する十分な時間が確保できなかったため、本研究は主に研究基盤となりうる臨床情報を整理するにとどまった。 その間に本研究に関連した、子宮頸癌放射線治療後の抗腫瘍免疫に関わる遺伝的な背景に関する研究については以下の2本の論文を共同著者として発表した。 Comparative Analysis of the Antitumor Immune Profiles of Paired Radiotherapy-naive and Radiotherapy-treated Cervical Cancer Tissues. A Imamura, T Oike, H Sato, Y Yoshimoto, K Ando, T Ohno. Anticancer Res. 2022 Jul;42(7):3341-3348. doi: 10.21873/anticanres.15821. では放射線治療後は自然免疫に関連する遺伝子の発現が優位に上昇することが示唆され、さらに、T細胞活性化の主要な負の制御因子である細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質(CTLA4)は、患者の93.7%で顕著に低下することを発表した。 Association between Tumor Mutational Burden, Stromal CD8+ Tumor-Infiltrating Lymphocytes, and Clinical Factors in Cervical Cancers Treated with Radiotherapy H Ruan, T Oike, H Sato, K Ando, T Ohno. Cancers (Basel) . 2023 Feb 14;15(4):1210. doi: 10.3390/cancers15041210 では44名の患者を分析し、Tumor mutational burden(TMB)高値またはCD8+tumor-infiltrating lymphocytes(TIL)密度低値は、全生存期間および無遠隔転移生存期間の悪化と相関していた。また、TMB-highまたはCD8+TIL密度高値の状態は、ARID1A変異と関連していることを発表した。
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