研究課題/領域番号 |
21K15766
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
則兼 敬志 香川大学, 医学部, 助教 (90623223)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心臓アミロイドーシス / PiB PET/CT |
研究実績の概要 |
心臓アミロイドーシスはアミロイドが心筋間質に沈着する疾患である。本研究の第1の目的は、PiB PET/CTを用いて心臓アミロイドーシスの診断を行うことである。心臓アミロイドーシス症例及び非アミロイドーシス症例においてPiB PET/CTを行い、胸部の30分間のdynamic撮像を行った。過去の報告にある個々人の洗い出しを考慮して再構成するRetention Index (RI)画像と通常のPET/CTの画像であるstandardized uptake value (SUV)画像を作成して評価した。SUV画像は10分毎に再構成して評価した。アミロイドーシス症例においてはRI画像は90%以上の高率で陽性描出可能であった。SUV画像でも10-20分間のデータを用いた再構成画像では、RI画像同等の診断能を呈したが、20-30分間のデータを用いた再構成画像では、70%程度まで低下していた。いずれの画像でも、非アミロイドーシス症例では10-20・20-30分のデータでは陽性描出は見られなかった。最適な再構成時間での画像で評価しないと、偽陰性となり得ることが示唆された。一方で、0-10分間のデータではアミロイドーシス及び非アミロイドーシスの両者で陽性になっており、アミロイドの沈着ではなく、心筋潅流を反映している可能性が考えられた。 アミロイドーシスには多数の病型があり、治療法が異なるため病型診断におけるPiB PET/CTの有用性についても検討課題であるが、現時点では野生型ATTRの症例がほとんどで小数のAL症例を含むのみであるため、断定的なことは言えないが、AL症例の方が若干PiB集積が高い印象である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の予定通りの症例数での検討が行えているから。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、病型診断におけるPiB PET/CTの有用性及び、重症度評価におけるPiB PET/CTの有用性について症例を追加しながら検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に予定をしていた学会の出張が、取りやめになってしまったため生じてしまった。このため、今後の学会出張に充てる予定である。
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